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人間の究極の世界を書いていきたい

戦史研究家・ライター
田中康太さん
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あまり聞きなれない職業ですが……。

戦争歴史関連の雑誌や書籍などに記事を書く専門職です。例えば食べ物の専門誌ならフードライター、旅行関係ならトラベルライターといったように、それぞれの道に精通した方が取材なりをして原稿を書いていますよね。僕の場合は、それが戦争歴史関連の雑誌や書籍。戦争の歴史を研究し、それを文章で伝えていくのが仕事ですね。丹念に事実を調べ、できるだけ歴史に忠実にわかりやすく読者に戦争を理解してもらうことが、役割だと思っています。 |
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戦争に対してはいつごろから興味を?

物心ついた頃には特に第二次世界大戦に関して興味があり、NHKの戦争番組などを見ていましたね。純粋に、人間同士が戦う究極の生死の世界が実在することに対し、ものすごく惹きつけられて。小学校に入ると戦争の本を読みあさったりして、それが中学・高校・大学と進学しても興味尽きることなく、ずっと継続していった。ですから自分的には趣味だと捉えていて、仕事にしようなんて概念は皆無だったんです。ただ好きなことって自然と詳しくなりますよね。だから戦争歴史の知識なら僕に任せて!という感じでした。 |
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“戦争”が趣味から仕事に変わったのはなぜ?

大学を卒業し、金融関係の仕事に就いたんです。堅い仕事で、いわゆる普通のサラリーマン。最初は営業部に配属され、それ以外の業務も経験しました。でも仕事にやりがいが感じられなかったんですよ。なにか違うという違和感を覚えながらも続けていました。ただ文章を書くことが好きだったので、戦争をテーマに趣味程度に書いたりしていたんです。ちょうどその時期、愛読している戦争雑誌がライター募集をかけていて、試しに自分が書いたものを持ち込みました。それが運よく認められ、その編集プロダクションで働くようになりました。 |
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転職していかがでした?

自分の書いたものが活字になって、世の中に出るということが単純に嬉しかったですね。締切前は徹夜だったりと生活のリズムがくずれ、お給料も下がりましたけど、楽しかったです。原稿って自分が頑張った分だけ、出来上がったものに反映されるんです。そういった面でやりがいはものすごくありますし、自分で徹底的に調べて取材して、活字にしていくという仕事は性分に合っているのだと思います。ただ、雑誌のライターという立場上、どうしても客観的に事実を伝えていくといった形の文章でなければならない。その部分に今、フラストレーションを感じるようになっていて……。何事もそうですけど、戦争の歴史も調べていくといろんな人間の生きざまが見えてくるんです。それをもっと主観で伝えたいという欲求が芽生えていますね。 |
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今後の展望は?

正しい知識で戦争を伝えていくということと並行しながら、今後は自分の言葉で書くことにも挑戦してみたいですね。硫黄島を舞台にした2作の映画が昨年公開され、話題になりましたが、あくまで戦地ヒューマンドラマの一例に過ぎない。とてもいい作品でしたが、実際の歴史にはもっとむごいことも、隠ぺいされていることもたくさんあるんです。戦争はもう二度と起こしてはいけないものだと思うし、それをよりリアルに感じられるような、人間ドラマを描けたらと思っています。最近、シナリオという分野にも興味が出てきて、公募などにも出稿しているんです。好きなことを仕事にするのは大変ですが、好きだからこそ続けられるんですよね。自分の単行本が世の中に出ることが夢であり、目標なので、諦めず書き続けていきたいと思っています。
取材・文/スタイルワークス |
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