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何かのために着るのではなく、
なんでもないときこそ着物でいたい

着物
田中しのぶさん
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着物をよく着るようになったきっかけは?

子供の頃、親に浴衣を仕立ててもらったり、成人式や、友人の結婚式に招かれたとき、すすんで振袖を着るなど、着物に対する興味はどこかでずっと持ちつづけていました。一方で、お金がかかりそう、着付けが大変そうなどの理由から、なかなか手が届かないものというイメージも強くありました。3年ほど前に、会社の同僚と話していたら彼女も着物に興味があることがわかり、最近は専門のリサイクルショップもあるらしいので、いっしょに行ってみようとなって。そのとき、色無地の着物を買ったのがはじまりです。 |
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着付けなどは、どのように勉強されたのですか?

自分で着られるようになりたくて、カルチャーセンターの着付け講座に半年ほど通い、あとは本を読んで勉強しました。一般的には白とされている半襟に、手ぬぐいや端切れを使うなど、着こなしのアイデアも本で学びました。着物の世界には、きちんと決まり事がある反面、自分で工夫したり、考えたりする余地もあることがわかり、以来いっそう興味が湧きました。私の着付けや着こなしは、読んだ本それぞれのいいとこ取りをしている感じです。見る人が見れば間違っているところもあるかもしれませんが、実際に着ていくなかで、身に付いていくこともあるように思います。 |
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どんなふうに着物を楽しんでいますか?

フォーマルなものよりも、紬やウールなど、ふだん着られるものを、リサイクルショップやインターネットで購入することが多いですね。コンサートに着ていくこともありますし、友人の家に招かれたり、食事に行ったりするときも、たまに着物で出かけます。ボウリングはちょっと無理かもしれないけど、カラオケくらいならOKかなと。何かをするために着るというより、なんでもないときに、日常的に着られるようになりたいんです。じつは、会社に着て行きたいと思うこともあるのですが、それだけはさすがに踏みとどまっています(笑)。これからは、安いものをたくさん買うより、ちょっといいものを長く着ていきたい。古着が中心とはいえ、それなりに費用もかかりますので、「うそつき」(二部式襦袢)の袖と裾の部分を手作りするなど節約のための工夫もしています。 |
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着物の良さはどんなところだと思いますか?

着物を着ていくと、友人・知人がよろこんでくれることも多く、そんなときはやっぱりうれしいですね。あと、動きが制限されるので、ものを取るときに袖口を持ったり、歩幅が小さくなったり、姿勢が良くなったりと、自然としとやかに振る舞えるんです(笑)。髪をアップにすることもそうですが、私にとっては、ちょっとコスプレ気分なのかな。着物を着るたびに、ふだんは意識していない、自分の中の「日本の女」が目覚めているような気がします(笑)。
取材・文/水尾裕之 |
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