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「これ以上削ぎ落とされない」帯の形の魅力に引き込まれたのがきっかけ

帯作家・スタイリスト
重田なつきさん

帯の創作を始めたきっかけは?

大学時代は建築学科で、和装や帯とは無縁の世界でしたけれど、そのときの先生の影響もあって、デコラティブなものよりシンプルに削ぎ落としていく手法の方が性に合っているな、と思うようになってきたんです。大学を卒業後、やりたいことを探しながらいろいろとしていたうちに、ある日、帯がぺらんと下げられているのを見たとき、ただ一定の幅で長く、四角いその形に「これ以上に削ぎ落とされた形はないな」と感じて、「この中に自分がおもしろいと思ったものを入れていくのは、もしかしたら楽しいんじゃないだろうか」と考えたのがきっかけですね。洋裁の経験はあったので、すぐさま和裁の本を買って、帯を作り始めたんです。それから帯作家としての活動が始まりました。今年で4年目ほどになります。最近では自分の作品を使って、スタイリストをすることも増えてきました。
アイデアはどこから生まれるのですか?

気の合う友人たちと話をしていると、何気ない話の中に次から次へとアイデアがでてきますね。お酒を飲みながらだったら、リラックスするからなおさら。その語らいの時間がアイデアの源泉であり、その時間が制作過程の中ではいちばん楽しい時間ですね。今年の一押し「横縞の浴衣」も、そんな中で生まれたデザインなんです。思いついた途端に友達へ電話して、その場で次々とデザインの骨格ができあがってきました。
創作の醍醐味は?

帯という、その約30cm×3m50cmのスペースからはみ出さないことだけを題目にして、そのルールの中で、自分がおもしろいと思ったものを入れていく。逆に言えば、その枠からはみ出さなければ何をしてもいい。作り始めたころは、まだ誰もやっていない分野だったので、いい時期にいいものを見つけちゃった、といった感覚でしたね。一番乗り!みたいな。
どんな人に着てもらいたいですか?

今年の柄は、男性向けを意識して作ったのですが、例年よりも男のお客さまにたくさん来ていただいているので、狙い通りでうれしいです(笑)。“徒な姿”が似合う男性に着てもらいたいですね。私のデザインする浴衣で、エグくて派手な、徒(あだ)な男たちが増えるとうれしいなと思っています。
月影屋のホームページ
http://www.tsukikageya.com
富ヶ谷ショールームは、ギャラリーとしての機能も併せ持つ。
ラフォーレ原宿1Fにて期間限定でショップをオープン(2005/7/31まで)

取材・文/常山剛
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