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革はもともと命のあったもの。大事に、大切に扱っていきたい

革かばん教室主催
森優さん

革かばん作りを始めたきっかけは?

20代始め頃から、ベルトやかばん、小物など、革製品をコレクションしていました。革を扱う仕事がしたくて、30代半ばで会社を辞め、東京都がやっている職業訓練校で1年間、革靴作りを学びました。卒業後は靴メーカーに就職する決まりなのですが、私の場合は年齢が高すぎてどこも不採用。そんなとき、知り合いのかばん屋さんが声をかけてくれたのです。
革かばん作りのノウハウはどのように修得されたのですか?

コレクター時代から、ベルトや小銭入れを作っていましたが、かばんを作るのは初めてでした。リサイクルショップで買ってきた革かばんを分解して研究し、靴作りで学んだ技術を応用しながら、考え考え、作っていきました。実は日本には革かばん作りを一から教える学校のような場所はないんです。メーカーでも分業が確立しているので、かばん作りの全体を経験することはむずかしい。私のように教室を開いたり、メーカーで企画を担当しているような方でも、独学で修得されているようです。
教室を開かれた経緯は?

かばん屋さんから来る仕事は、すべて特注品だったために、ひとつひとつ型紙を作らなければならず、たいへんな手間がかかりました。しかも、そのかばん屋さんは問屋も兼ねていたので、高くは買ってもらえません。5年ほど続けたとき、職業訓練校時代の友人から、革靴作りの教室を開いている人の話を聞き、じゃあ、革かばん作りの教室を始めてみようと。
素材としての革の魅力とは?

若い頃に絵を勉強していたのですが、私には革の表面の毛穴の痕やシボ(シワ模様)が、何か芸術的なものに見えました。動物の種類によって模様や質感もちがいます。そういう革の多様性に魅かれました。革には人工物にはない温もりがある。くたくたになった革かばんを修理してほしいと持って来られる方がいますが、傷がついても汚れても、かえって愛着がでてくる素材なんですね。もともとは命のあったもの。私自身、大事に、大切に扱いたいし、革製品を持つ人にもそのように使ってもらいたいですね。
教室を主催されてみていかがですか?

革の知識がない分、生徒さんは発想が自由。斬新なデザインに驚かされることも少なくありません。こうしたいという希望を受けとめ、形になるまでサポートしていくのは思った以上に大変なことでしたが、作品が出来上がって、生徒さんがよろこんでいる姿を見るのが、なによりうれしい。最近はモノづくりがブームのようで、若い人から、将来独立したいと相談を受けることもあります。みなさん、技術的なことにこだわっている場合が多いのですが、技術に関しては、人と同じことをする必要はないので、自分なりの作り方をしていけばいい。いちばん大事なのは、革に対する情熱を持ちつづけることだと思います。

革を裁断する前の「型入れ」

取材・文/水尾裕之
モリ工芸かばん教室
入会金:5000円
月謝:月4回毎週コース 18,000円
月2回隔週コース 10,000円
詳しくはホームページ参照
http://www.moribag.com/
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