| 長年にわたり、“体操のお兄さん”として活躍した佐藤弘道さんが、3月に引退をしました。そして、次なる挑戦は、なんと「筋肉(マッスル)ミュージカル VIKING(バイキング)」! 今までとはかなり違う挑戦への本音や、公演の見所をお聞きしました。 |
  |
佐藤弘道
Hiromichi Sato
http://www.sato-hiromichi.com/index.html
東京都新宿区生まれ。日本体育大学体育学部卒業後、世田谷区教育委員会の教育指導員を経て、スポーツクラブのインストラクターとなる。1993年NHK教育番組「おかあさんといっしょ」第10代目体操のおにいさんのオーディションに合格、同年4月より同番組出演。2005年3月卒業、現在は第一保育短期大学講師、文部科学省主催「子供の体力向上推進事業」委員などを務める。著書に「ひろみちお兄さんの『気持ちいいカラダつくろ−いつでもどこでも“ながら体操”でダイエット』」(祥伝社)、「子どもはぜんぜん、悪くない。」(講談社)などがある。 |
 |
|
  |
|
|
――12年間NHKの体操のお兄さんとして出演されていましたが、意外な転身ですね。 そうですね。お兄さんという年でもなくなってきてますし(笑)、そろそろ卒業しなくてはならないかな、という気持ちはありました。実際は先方から翌年の契約の話がなかったときは、寂しいような、もう少し続けたいような複雑な心境でしたね。これからどう生きようか、考えているときに「筋肉ミュージカル バイキング」のお話をいただきました。
――お話を聞いたときは、どう思われました?
実は大ファンで、初回公演以外は全部観ていたんですよ。ボクも挑戦したいなと、漠然とは感じていましたが、まさか自分が出演できるとは思ってもみませんでした。もううれしくて、ふたつ返事でOK! ただ、出演者のみなさんは2ヵ月前から練習されていて、ボクは残り1ヵ月前からの途中参加でしたから、最初はカラダがついていけなかった。
――カラダを動かす点では同じですが、今までのお仕事との違いはありますか?
体操というのは、足首や股関節、ヒザといった間接をやわらかく使って着地をするんですね。カラダへのダメージを少なく、大きな音も立てず。オリンピックの体操競技の着地シーンを思い出してください。すとんときれいに音もたてずに着地していますよね。そうでないと評価が低くなる。ところが、「筋肉ミュージカル」では、まったく逆で、着地の際に出る音が主役に近い感覚で、ガンガン音を立てる。立てないとミュージカルにならない。最初はこの感覚がつかめない。
――観客との距離感には違いはありますか?
子供番組というのは、上に上に跳ぶようにしているんですね。上に向かったほうが元気よく映るでしょ。でも、こちらは下に向かわなくてはならない。テーマがバイキングということもあり、荒々しくしなくてはならない。今までは、テレビの向こうにいる観客と、テレビの中の壁をいかに取り除くか、いかに一緒に楽しい気持ちを共有させるか、それが第一でした。けれど、「筋肉ミュージカル」では、空間を作った、だからさあ、入って来い! という感覚。作り上げる目的の違いが、なかなか心にカラダに馴染まなくて、最初はキツかったですね。
――筋肉体操というコーナーはどうですか?
筋肉体操というコーナーにも出演させていただいています。構成、振付、すべてを担当されている演出家の中村龍史先生に、ニュースキャスター風にと指示されました。「さぁ、やるよ〜」ではなく、「さ、やりましょう、動かしましょう」という感じ。淡々とということなんですが、自分が経験したことのない演出で、やりずらくて、ついアドリブをいれちゃった(笑)。それに、今までの経験でついにっこりしたり、ニヤッとしてしまう(笑)。先生から笑顔はいらない、と注意されました。このクセや感覚の切り替えが難しかったですね。
――新しい環境で、ストレスは感じませんか?
まったく今までの経験と違うことの連続ですが、ストレスはありません。スケジュールの都合で全編に出演できない。こちらのほうがストレスになってます。出演者のみなさんに迷惑をかけてしまう部分もありますし、全部に関わりたいのが本音です。
――「筋肉ミュージカル」の見所を教えてください。
ボクが出演するのは部分的ではあるのですが、自分が出ようが出まいが、すべてが見所。筋肉が奏でる空気感を全身で感じてほしい。声も動きも汗も、見逃さないでほしい。そうそう、今回新しく取り入れた“透明跳び箱”。これ、要チェックです。普通の跳び箱だと挑戦者が走ってくる姿が客席から見えないという意見が多く、挑戦者の姿を見られるようにアクリル素材を使って透明にしたんですね。ボクらから見ると跳び箱の上の部分が浮いて見えるんですよ。そのために2段ほど余計に飛ぶ感覚なんです。21段の跳び箱なら実際は23段を飛ぶつもりで飛躍している。観客側から見ると、非常に迫力あるものになっていると思います。
テーマを持たせた「筋肉ミュージカル」は今回がはじめて。セットや衣裳も楽しんでほしい。観客席の声を聞いていると、年配の方が「若い人はいいね〜、すごいね〜」と楽しんで帰っていかれています。また子供たちは目をキラキラさせて喜んでくれています。ミュージカルって、専門的なイメージがあるじゃないですか。日本人には無理なんて方もいて、非常に固定観念が強いテンターテインメントでもあります。でも、この「筋肉ミュージカル」は、老若男女関係なく、誰もが楽しめる。普通の人が普通に自由に楽しめる。それがいちばんの魅力です。ちょっとでも興味を持たれたら、ぜひご自身の目で確かめてほしい。
――Veeスクールを利用してくれるユーザーの中には、生きがいを見つけたい、趣味を見つけたい、でもどうしていいかわからないという方がいるのですが、アドバイスをいただけますか? 12年間も同じ番組の仕事を続けていて、不安はなかったの?とよく聞かれます。もちろんありますよ。けれど、それよりもボクには、新しいことに挑戦するわくわく感のほうが大きかった。なんでも挑戦してみたいし、経験していないことは語れないから。ボク、やっていないのに、さも経験したように話すこと、嫌いなんですよ。そういうことのないように、経験できることがあれば挑戦したい。
新しいことに足を踏み込むというのは、勇気が必要ですし、失敗するかもしれないという不安が付きまといますよね。失敗する、恥をかくかもしれない。でも、それを恐れたら何もできない。恥をかくからこそつかめるものがある。失敗は成功の元という言葉があります。失敗して恥をかいて勉強する。その先には必ず新しい自分がいるはずです。恥を恐れず、常に前へ。チャレンジ精神を持っていたほうが、人生豊かになりますよ。
|
  |
| 撮影/内山範洋 |
|
|
|
|
|
|
 |
 |
バックナンバー |
|
|
 |
記事一覧 |
|
|
|