ブラザートム
1956年ハワイ生まれ。1980年警官コントで、コメディアンとしてデビュー後、ブラザーコーンとBubble Gum Brothersを結成し、93年には「Won't be long」がミリオンセラーとなる。96年バンドREAL BLOODを結成、2000年にはミュージカル「Miracle Brind Boys」を完成。企画者、制作者、作家、脚本家、演出家、作詞家、歌手、ナレーター、役者、放送作家、エッセイスト、コラムニスト、タレント……といったさまざまな顔を持つ。現在、テレビ朝日系ドラマ「金曜ナイトドラマ〜雨と夢の後に」、フジテレビ系「新堂本兄弟」に出演中。
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――大学入学おめでとうございます。50歳を前になぜ大学へ通おうと思われたのですか?
っていうか、逆。なんで、この年だから大学へいっちゃいけないの!? 不思議に思われるの!?という感じ。
普通に遊んでいるのが飽きたんだよね。夕方6時頃から9時頃までというのは、飲んでいることが多いんだよ。なんとなく仲間と集まるのを待ちつつ、先に来た者からだらだらと発展性のない話をしながら飲んでいる。9時頃になればお酒もほどよく回って、おかしな話も出てくるんだけど、それまでの自らにエンジンをかける時間というか、人を待つ時間が飽きちゃった。なんか、もったいないというか。
――その時間を有意義に使おうということですか?
有意義なんてエラそうなことではないの。別の遊び場所が欲しかったんだよね。中学生の頃、弁護士になりたいと思う時期があった。その夢は漠然とだけれども頭の隅に残っていて、歌を歌っているときでも頭のどこかにひっかかっていた。一度夢見たことなのに、まったくその方向へ自分が努力しないというのもなんかいやな気がして。勉強したらいけるのかもしれない。そして夕方6時から3時間ほどの時間がある。それなら、まずは大学へいってみようと思って。
――駒沢大学短期学部仏教学科を選ばれたのは、何か理由があるのでしょうか?
事務所からの交通の便がいいということと、授業がおもしろそう。子供の頃よりも親戚など人の死を間近で経験する機会が増えて、仏教を学問として学んでみるのもおもしろそうと感じたの。ビジネスなんとか科といわれてもピンとこないけど、仏教についてなら知っていてもいいのかな、と。社会人枠を利用して受験したので、入学試験は面接のみ。緊張したね〜(笑)。息子に面接官になってもらって、「失礼します!」と声をかけてからイスに座る練習を何度もしたんだけど、緊張した! 服装は今日のようにアロハシャツ。アロハシャツはボクの正装だから。
――面接はどういった内容でした?
仏典の中に出てくる翻訳は正しいか、原文のまま勉強すべきか。そんなことを聞かれました。何の話か全然わからない(笑)。でもね、授業は楽しいんだよ、コレが。授業は主に宗教学、座禅、英語、哲学があって、とにかくおもしろい。例えたら、なんだろう? セックスを経験していない状況で保健体育の勉強をしても何のことやらわからない。でも、セックスを経験した後に、保健体育で男女の体の仕組みを習ったら、なるほど、そうか!とすんなり頭に入ってくる。そんな感じ。
――ユニークな例えですが(笑)……
人間って3時間黙っていることはあっても、3時間まったく話さずかつ人の話を聞いているって、あまりないでしょ? それが楽しい。人の話がこんなに楽しかったんだって、改めて思ったね。聞いたことのない言葉や一生懸命話している人の言葉が、脳にシャワーのように降り注ぐ感覚。こう思えるのは今だからかもしれない。昔はこんなに人の話、聞かなかったし(笑)。
高校、大学と進学したら、ボクが受けている授業も勉強でしかない。でも、ボクのように勉強以外の経験をして、授業を受けると勉強じゃなくて、レクリエーションになるんだよね。50歳、60歳になって、「古典・源氏物語を読む会」などに入って楽しんでいられる方がいるでしょ? たぶん、同じ感覚だと思う。いちばん好きな授業は座禅。駒澤大学は仏像が鎮座している講堂があって、そこで本当に座禅を組むんだけど、足が組めなくてばたばた倒れちゃう(笑)。静かにしてください、なんて怒られてる。
――クラスメイトとはどうですか?
まだ授業が開始して1ヵ月ほどなんで、クラスメイトとはべらべら話をしているというわけではないですね。なんかね、みんなボクと話しているところを他人に見られるのがいやみたい。芸能人に近付いたと思われたくないみたい。最近やっと、1人、2人、普通に話せるようになりました。芸能人、一般人というくくりを考えたことはないので、ボクは話すことに抵抗はないのだけど、ただ、自分の友達でいちばん若い人ってえなりかずき君なの。クラスメイトには彼より若い人がいて、その若さがちょっと不思議。未経験だから(笑)。
――卒業は2年後ですが、仏教科で学んだ内容を仕事に結びつける予定ですか?
短大なんで2年間なんですが、仕事の関係でどうしても授業に出られない時間があるので、2年後に卒業はう〜ん……。時間をかけて卒業しますよ。売れてない、時間のある時期に入学すればよかった(笑)。でも、きっとボクにとっての大学生の時代は今なんだと思う。仏教学科に入ったからといって、仏教に関することを仕事に結び付けようとは思っていない。なんていうのかな、富士山という高い山があって、それに登るんだけど、その前に周囲にあるほかのさまざまな頂を持つ山も登ってみようか、そんな感じ。
やりたいことに年齢や世間体とかは関係ないよね。これをやりたいならこれをしなくちゃいけないというのもないし、これは大人になったらしちゃいけない、なんてやりたいことに対して自ら心に垣根を作る必要はないでしょ?
ボクの父の故郷であるハワイには、目に映るものはもちろん、心の中にも垣根を作らない寛容の精神、アロハスピリッツという精神があって、ボクのカラダにもこのアロハスピリッツという血が流れている。今回、自分にとっては特別なことではない大学受験に対して、「なんで!?」なんて驚かれると、自分のカラダに流れている"血"を意識させられるよね。
――やりがいや生きがいを探しているVeeスクールのユーザーへ、ひと言アドバイスをいただけますか?
ボクには予知能力があります。これからあなたたちは必ず失敗する! だから何やってもいいの。ボクも今までたくさんの失敗をしました。でも、そんなの関係ないの。今が楽しく、やりたいことに挑戦できれば。やりたいことがあるなら、どんどんやったほうがいいよ。ボクはドラマや映画の主役がやりたい! ドラマ、歌、ミュージカル、コメディアンといろいろ経験しているけれど、ドラマや映画のは主役が抜けているんだよね(笑)。月9で主役になってキムタクを端役で使う。コレ、どうだろう?(笑) |
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