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資格・趣味講座TOP特集・記事一覧インタビュー > 須藤元気
10月1日公開の映画『鳶がクルリと』(東映)に出演、格闘家としては、総合格闘技「HERO'S」で決勝に進み、2005年大晦日に行われる決勝戦に出場が決定した須藤元気さん。多彩な男ならではの役作りや生き方をお聞きしました。
須藤元気
すどうげんき


短大卒業後、サンタモニカ大学へ留学、ビバリーヒルズ柔術クラブで格闘技を学ぶ。卒業後、逆輸入ファイターとして日本でプロデビュー。2002年K-1 WORLD MAX、UFCに参戦、2003年大晦日のK-1 Dynamite!!でバタービーンに勝利、2004年K-1 ROMANEXではホイラー・グレイシーにKO勝ちを飾る。また2002年10月には『凶気の桜』(東映)で映画デビュー、そのほか、モデルなど、活躍の場を広げている。
http://www.genkisudo.com/
須藤元気
『鳶がクルリと』『鳶がクルリと』
東映
公開:2005年10月1日
監督:薗田賢次
原作:ヒキタクニオ
出演:観月ありさ、宇津井 健、塩見省三、須藤元気、哀川翔ほか

エリートOL vs ガンコ鳶職人の
14日間の仁義なきビジネス戦争!?
大企業の子供服開発チームでバリバリ働く、観月ありさ演じる28歳独身エリートOL、中野貴奈子。夢をかけたプロジェクトに敗退した挙句、命じられたのは14日間の工期による巨大モニュメント設置。鳶職人に仕事を依頼するが……。頑固なオヤッさん塩見省三演じる勇介、刑務所から出てきたばかりの哀川翔演じる悦治、インテリ鳶の須藤元気演じる剛、戦争ごっこの好きな品川庄司2人が演じる奥村兄弟……一癖も二癖もある鳶職人を相手に、果たして貴奈子は仕事を成功させられるのか!?
須藤元気――『鳶がクルリと』では、インテリな鳶職人が非常に似合っていて、素に近いのかと思いましたが……
いや、素ではないですよ。ちゃんと演技しました(笑)。実は大学時代に唯一経験のあるバイトが鳶だったんですよ。偶然というか、縁があるというか……。懐かしかったですね。当時を思い出しました。撮影自体は非常に楽しかったです。この映画は役者として4作品目なんですが、役作りは、まず頭の中である程度作るほうです。外郭を考えて、あとは直感で仕上げる。台本を読んだり、共演者の方々や監督との会話などを経て、心の中から沸く直感で演じたほうがいいモノができると思うんですよ。頭で作りすぎてしまうと、遊びがないというか、型にハマってしまうというか、おもしろくない。

――役者のオファーが来たときは、どう思われました?
自分自身をカテゴリーにはめたくないんですね。格闘家ではあるけれど、役者としての自分もいる。それはすべて“須藤元気”であるわけですから、1作目の『凶気の桜』(東映)のオファーをいただいたときも抵抗はなく、自分の新しい一面が楽しめる、そんな感覚です。さまざまな世界を見たほうが、いろんな意味で大きくなれる。そういった経験があるから今の自分が、“須藤元気”が存在する。

――この映画の見どころを教えてください
一言でいうと“温かみ”。鳶職というのは、非常に高い危険な場所で作業をするわけですから、信頼し合える仲間同士とでないと仕事はできない。自分の命を預けられない。預けられるからこそ、血を超えた、目に見えないつながりが生まれる。今の世の中、こういった人間同士のつながりってなくなっているでしょ? 家族でも、今は会話がなかったりする。観月ありささん演じるドライなバリバリのキャリアウーマンが、鳶の職人と関わることで、もともと日本人が持っていた家族愛や、人とのコミュニケーションといったもののよさに気付いていく。そういったところを感じてほしいですね。

――なぜ格闘家を目指されたのですか?
格闘家になったのは、単純に強くなりたかったんですよ。高校時代にレスリング部に所属したことからはじまりましたが、レスリングは今の自分を創るためのひとつの手段でしかない。打撃や決め技、強くなるために修得すべき技術がたくさんあります。自分も含めてクセというものはある。ということは必ず隙があるということ。隙を狙うために各分野の技術を修得しなくてはならない。対戦相手によって、戦術は変えていきますね。このクセというのは、ある意味役者と同じですね。役者の場合は、そのクセが個性、オリジナリティになるのですが。

――格闘家であることと、役者であることはまったく別の意識で動いているのでしょうか?
人間は過去にも未来にも生きられないんですよ。今しかないんですね。ですから、役者のときは役のことしか考えない、格闘家のときは格闘のことしか頭にないです。今この瞬間を充実させることが重要なんだと思います。ですから頭を切り替えるとか、意識とかではなく、今いる状況に神経を集中している。例えば、今、この取材面倒くさいな、と思うことともできる。でもその考えを選択したら、この時間はつまらないものになる、ソンをしてしまう。

その時間軸が頭の中でずれて生きている人が多いですね。もったいない。人間は何かを経験してから意思ができあがることが多いでしょ? 彼女ができたという経験を経たから、今が幸せ、とか。そうじゃない。逆だと思う。今幸せだ、それはなぜか、彼女ができたから。自分が発するものが得るものであり、周囲の影響で幸せというものではない。結局自分なんですよ。

自分が幸せだと思えれば、幸せな現象しか経験しない。チャンネルと同じです。この地球に生まれて幸せだと思えれば、世の中幸せになる。モノの捕らえ方ひとつで、世界が変わる。自分のチャンネルを変えるだけで見方も変われば、可能性も変わる。どんどん可能性が大きくなっていきますね。

――勝つということは非常に相対的なものだと思うのですが、主観的になることができたのはなぜですか?
強くなりたい、と思ってはじめた格闘技ですが、本当に強いのは“勝つ”ということだけじゃないんだ、とわかったんです。勝てば周囲から「強い」と評価されたり、励まされたり、がんばって、と応援してもらえる。負ければ、周囲から冷たい目で見られるし、そのことに触れないようにされたり。でも自分は変わらないんですよ。自分は自分。だけど周囲からの扱いが変わる。勝つのは大事なことなんだけど、重要なのは“自分”なんだ、と気付いたんです。

須藤元気――どうすれば須藤さんのように、考えられるのでしょう?
勝っても驕らず、自分を忘れず。そう考えるようになったら、人の批判、価値観は関係ないと思えるようになりました。他人が自分とは違う意見でも、そういう考えもあるよね、と思う。自分が気に入って身に着けている時計を見て、「この時計どうなの?」と言われても関係ない。自分が好きで身に着けているものを、他人がどう思おうと関係ない。そう思えると、ラクですよ。ストレスがなくなる。そのためには、“信念”を持つべき。どんなものでもいい、芥子粒ほどの“信念”でいいんですよ。その“信念”さえあれば、自分でいられるんです。

――夢を形にしたいけれど、なかなか実行に移せないVeeスクールのユーザーもいます。そんなユーザーにアドバイスをいただけますか?
みんな、会社を辞めたいとか、○○に挑戦したい、と口にしますよね? そのあとに「でも……」という言葉が続いてしまう。ボクもよく友達に相談されることがあります。そんなとき、ボクは「望んでいるのなら、一歩踏み出すべき」とアドバイスしています。また、「自分に責任を持て」とも。踏み出さないのは踏み出さない選択を、自らしているんですよ。時間がない、お金がない。すべて他者のせいにして、自分が踏み出せないことを正当化している。自分に対して責任を課したら、いい訳はできないはず。そして、同じ後悔をするなら、やらない後悔よりもやった後悔のほうがいい。

――須藤さんには悩みはないですか? また、今後の活動は
もちろん自分にも悩みはあります(笑)。でも、悩みの質が年を経るごとに変わってきましたね。以前悩んでいたことは、今ではちっぽけなことに思える。それは解決できているからね。なんとなく、大枠ですが、10年先まで将来を考えています。あまり決め付けていると遊びがなくなってしまうので、なんとなく。演技では、う〜ん、そのうち恋愛モノなんてやってみたい。接吻シーンとか、いいですね(笑)。
撮影/内山範洋
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