| 細めのボディながら、実力派女子プロレスラーとして活躍する井上貴子さん。地方巡業など忙しい毎日を送る傍ら、舞台に、ホットヨガのインストラクターに挑戦するなど、別の世界へも意欲的な活動されています。女子プロレスラーになった理由、プロレスや舞台、ホットヨガの魅力をお聞きしました。 |
――なぜ女子プロレスラーになられたのですか?
子供の頃から華やかな世界にあこがれて、将来は女優になる!なんて宣言していました。それが、女子プロレスラーに替わったのは、私が中学のときにデビューした、今では先輩でもある女子プロレスラーの影響です。当時はテレビで女子プロレスの試合がよくオンエアされていて、彼女を新人女子プロレスラーとして目にする機会が多かったんですね。彼女、弱いんですよ。いつも同じ技をかけられてギブアップ。たまに違う技をかけられたりすると、非常に新鮮で、いつのまにか大ファンになってました。彼女がなかなか勝てない。こんなに弱いのなら、私だってできるんじゃないの!?みたいなノリで(笑)。
――なる!と決めてからはどうされたのですか?
当時女子プロレス界では、中学卒業見込みから高校卒業見込みまでの4年間に、年に一度しかオーディションが受けられなかったんです。中学3年から受けているのですが、3回とも落ちて、ラストの4回目でやっと受かりました。実はそのとき、当時大ブレイクしていたおにゃんこクラブのオーディションに、友人が私の書類で申し込んでいて、審査に通りスタジオオーディションの連絡があったんです。しかもその日はよりによって、女子プロレスラー最後のチャンスになるオーディションと同じ日。結局女子プロレスラーのオーディションを取りました(笑)。
――ラストのオーディションはいかがでした?
初めてラストの4次審査までいきました。4次は面接なんですが、後ろ向け、といわれて、後ろ向きのまま面接官と話をしました。顔を向き合ってないんですよ(笑)。格闘家ってお尻が安定していたほうが向いているんですよ。オーディションに受かるには、人によってさまざまな理由があって、体のバランスがいい、顔がいい、体格がいい、いろいろですが、私は“お尻”で念願のプロレスラーになりました(笑)。
――あこがれていた女子プロレス界はどうでした?
当時女子プロレスは非常に人気があって、私が所属していた全日本女子プロレスも何人プロレスラーを抱えていたのかわからないぐらい。先輩も多いけれどあとからあとから後輩が入ってくる。その中で自分の個性を出さないと、試合に出られない。観客を喜ばせられないプロレスラーは、試合に出させてもらえない。私、学生時代陸上部にいて、運動神経はいいほうだと思うのですが、パフォーマンス性の必要なプロレスの運動神経はないんですよ。だから、技などのみ込みが遅くて、苦労しました。そんなときに女子プロレスをオンエアしていた局のプロデューサーから、女子プロレス界のアイドルを誕生させるというお話をいただいて、写真集、ビデオ、CDを出すことに。
――現在の井上さんを見ていると、信じられないですね(笑)
フリルのついた衣装を着たり、パステルカラーの衣装を身に着けたりしましたね。ファンも付いて、22歳のときにヌード写真集も出版。それまで人気先行とたたかれることもあったのですが、その頃から実力もともなってきて、プロレス自体が楽しくなりました。団体戦などで第一線で試合をさせてもらえるようになり、ストロングなイメージも付いて。中性的、男性的なレスラーがかっこいいといわれていた女性プロレスラーの世界で、見た目は女性っぽいけれど実は気が強く実力もともなっているという、新しい個性をアピールすることができるようになりました。やっと、自分のポジションをつかめた!という感じです。
――現在30代ですよね? 体力はどうですか?
プロの格闘技の世界は、やはり年齢による体力の限界というものはあります。けれど、人を投げ飛ばすタイミングや投げられるタイミング、力の入れ方、抜き方など、今のほうが自分の中でペース配分ができるようになりました。これは、十数年で蓄積されたプロレスの体力と豊富な試合経験というベースがあるからですね。ですから、女子プロレスラーとしてデビューして十数年経ちますが、今がいちばん充実した試合をしています。
――今度舞台にも挑戦されるとお聞きしましたが……
以前ドラマや映画にも出演させていただいた経験があり、最近では女優という職業に非常に興味を持っています。10月19日には笹塚ファクトリーで、女6人のみの演目で舞台初デビューします。プロレスというのは脚本はないのですが、こうしたら観客が沸くだろう、こうしたら喜ぶだろうということを頭に入れて、相手と組んでいるんですね。ミュージカルやイリュージョンのようなものとは違いますが、何が起こるかわからない生きたショーなんです。ですから、同じモノを目指している仲間と何かを作り上げるという点で、私にとっては演技をすることとプロレスは同じ魅力があるんです。舞台は演出か、脚本家の方が造りこむからこそ、どうやって自分の個性を表現するのか。個性を出すという点では、これもプロレスと同じ。さらに舞台は目の前にお客さまがいる。これもリングと同じ。初めてですが、楽しみでもあります。
――ホットヨガの資格も取得されたとお聞きしています
そうですね。もともと汗をかくことが好きなんですね。サウナなどでストレッチをしたいんですが、さすがに人の目が気になるでしょ?(笑) そんなときにホットヨガを知って、さらに便秘解消にもなるというから、一度体験してみたんです。そうしたら、体が気持ちいい! しかも3回目で頑固な便秘が解消できて、これはホンモノだって(笑)。ヨガの先生に誘われて、インストラクターの資格も取得しました。舞台が終了したら講師としてデビューする予定です。ちょっとどきどきしますよね?(笑)
――現役のプロレスラーとして、忙しいと思うのですが……
引退してから挑戦はしたくなかった。「元女子プロレスラーの……」と表現されたくないんですよ。現役として活躍している中で、本当に好きだから時間を作って挑戦しているんだ、というところをわかってもらいたい。ホットヨガは、この先女子プロレスラーを引退しても、アスリートである部分を何かに形で残したかったという気持ちもありました。でも引退してからではいやだったんです。それに「女子プロレスラーの……」という枠ではなく、「井上貴子」という名前で可能性を広げたいんですね。今後も興味のあることに出合えたら、どんどん挑戦するつもりです。
――○○に挑戦してみたい! でも……となかなか新しいことにチャレンジできないVeeスクールのユーザーに、アドバイスをいただけますか?
目の前に道があるとします。わき目もふらず、まっすぐ進む人もいれば、寄り道ばかりする人もいますよね。いろいろな経験を経て思うのですが、近道だと思って選んだ道が近道ではなく、避けた道を結局は通らなくては前に進めない、私はそんな性格なんです。自分のことがわかったから、今いやなことがあっても避けずに前に進めます。近道ができる人なら近道をしたほうがいい。でもそれは自分がどういう人間なのか、わからないとできないですよね? 前に進むことに悩んでいるのなら、それも経験で、自分を知る材料になるはずです。自分を知ったら、より楽しい人生になると思いますよ。そのためにも自分の心に従ってみたらいいんじゃないかな。 |
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