通訳と翻訳、どう違うの!?

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通訳者&翻訳者へ10の質問
プロフィール
似ているようでまったく違うお仕事、通訳と翻訳。日本語以外の言語を扱うという点では同じですが、実際、どう違うのでしょう? 第一線で活躍されるお2人にお話をうかがいました。
通訳家
翻訳家
河原希早子なぜ通訳を目指したのですか?

親の薦めと自身の好奇心で、中学2年次から大学卒業までイギリスへ留学しました。一足先に帰国し、通訳として活躍していた姉から、私が帰国した折に、あるアーティストの取材通訳の仕事を頼まれまして……。

では、問題なく通訳ができたんですね?

それが、そうでもなかったんです(笑)。日本語と英語の会話を訳すだけのこと、という気持ちで引き受けたものの、いざ始めてみると話しの内容は自分では理解できるものの、それを思うように的確に訳すことができなかった。日本語と英語ができればさほど難しくないだろうと思っていたのですが、思いのほか難しくて…。そのときの悔しさがこの仕事に進むきっかけになりました。

悔しさから一念発起ですね。では、他のお仕事は考えられていなかったのですか?

もし、最初に引き受けた通訳の仕事をすんなりできていたら、きっと別の仕事をしていたでしょうね。

お仕事の内容を具体的に教えてください。

音楽関係の通訳が主です。取材の際、インタビュアーの質問を英語に、相手の答えを日本語に訳す。海外にいるアーティストに電話で取材をする仕事もあります。その際は、事前にインタビュアーから質問をいただき、それを基に録音しながら電話で取材をし、そのテープを日本語に訳します。その他にも歌詞の対訳や資料の翻訳の仕事もあります。今まで通訳してきた人数ですか? どうでしょう、数えたことはありませんね。

河原さんにとって通訳という職業の醍醐味は何ですか?

通常お会いできない方にお会いできることですね。例えば、新人で来日したときに、どれほど苦労、そして努力をしてきたか知っているアーティストが、その後成功を収める姿を見ると本当に嬉しくなります。

河原さんにとって、通訳という仕事とは何でしょう?

海外からさまざまな情報が入り、いい意味で世界は前より狭くなっていると言われていますが、やはり文化の違いはあります。通訳はその橋渡し的な役割だと思っています。

インタビュアー側になろうとは思いませんか?

そう思ったことはありません。通訳という仕事と、インタビューをしてその内容を文章にする仕事は違いますからね。

将来の夢を探しているVeeスクールのユーザーにアドバイスをください。

若いときにしかできないことってありますよね? それは文字通り、若いからこそできること。やってみたいことがあれば、周囲にどう評価されようがチャレンジしてみるべき。後でやっておけばよかった!と後悔するよりも、例えうまくいかなくても、とにかくやってみることが大切だと思います。やりたい仕事があれば、まずアルバイトで経験してみるのもひとつの方法でしょう。経験してみれば、その仕事が自分に合うかどうか感触が得られるでしょうから。実は、私は大学卒業後に日本の会社に就職を考えたことがあり、夏休みに帰国してアルバイトをしたことがあります。短い期間でしたが、自分には向かないと思いました。いろいろ経験するなかで、自分のやりたいことが見えてくるはずです。失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。
加藤洋子なぜ翻訳を目指したのですか?

実は通訳を目指していました。英語が好きで、学校を卒業してからOLとして働くほか、英語塾の講師をしていました。将来的には英語に関係する仕事をしたいと考えていたのですが、あっという間に30歳になってしまって(笑)。これじゃあ、いかん、と一念発起で通訳のスクールへ通ったんですね。

それがなぜ翻訳に?

実際、授業を受けてみたら合わなかったんです(笑)。同時通訳の授業を受け、通訳者になるには反射神経が必要だ、とわかりました。聞いた日本語/英語を瞬時に英語/日本語に変えなくてはならない。脳を2つに分けるような感覚で、ポンポンと言葉を変換しなくてはならない。でも私は聞いた言葉を考えてしまうんですよ。全然、だめ、無理だ、と思ってしまいました。それでも英語に関わる仕事がしたい。英語も好きですが本も好きで、小説を訳してみたいという気持ちもあり、同じスクールの翻訳のクラスに変更し、これはおもしろいと思ったので、新しくできたばかりの翻訳学校に通いはじめました。

翻訳は合っていたのですね?

ええ。講師は現役の翻訳家の方で、毎回課題を与えられます。そして次回までにそれを訳してきて、授業で添削をしてもらいます。勉強の時点でさまざまな作品に出合えるし、先生や同じものを目指している生徒とのコミュニケーションもとれ、非常に楽しい経験でした。授業は厳しいもので、知っている単語でも必ず辞書をひくように教え込まれました。ただ、だらだら通っていても意味がありません。自分自身にけじめをつけるため、40歳になるまでに出版翻訳ができなかったら諦めようと決心。39歳で翻訳家デビューをしました。

翻訳のお仕事は、どういったカタチで仕事を請けるのですか?

翻訳家の方について勉強して、下訳をさせていただき、認められれば一冊を受けるというスタイルが一般的です。私は学校の先生に認められて、先生が翻訳されていたシリーズものの小説の次回作を任されることになりました。そうして、出版社をいくつか紹介していただき、今に至ります。現在では、12シリーズも続いている、女性ケータラーが主役の『クッキング・ママ』(ダイアン・デヴィッドソン/集英社)シリーズ、ロマンス小説のリンダ・ハワードの作品、ダイアナ・ガバルドンのアウトランダー・シリーズ、そのほかノン・フィクションも手がけています。

加藤さんにとって翻訳という職業の醍醐味は何ですか?

原文を基に日本語に訳すわけですが、言語が違いますからどうしても微妙なずれが出てしまいます。そのずれに“自分の色”を表現できるんですね。作家によって、一文が長い方もいれば短い方もいます。凝った形容詞を使う方もいれば単刀直入な表現が好きな作家もいます。その作家の“味”は崩さずに、この作家が日本語で書いたらこういう表現を使うだろうと訳しつつ、どうしても埋まらない溝に“自分の色”を染める。英語の原作が自分を通して日本語の作品として生まれ変わる。そこに醍醐味を感じますね。

加藤さんにとって、翻訳という仕事とは何でしょう?

いちばん夢中になれるものです。30歳を過ぎてやっと見つけられた、私にとってはとてもとても素晴らしいこと。これだけ自分の性格や能力に合ったことで自立できる私は幸せです。まだ翻訳されていないのですが、私にとっては素晴らしい作品があります。現在は出版社から依頼されたものを訳していますが、いつか、そういった作品を、日本の書店に並べるお手伝いをしたいですね。

将来の夢を探しているVeeスクールのユーザーにアドバイスをください。

趣味を見つけたいのか、やりがいのある仕事を見つけたいのか。その選択を今一度、考えてみてください。仕事にしたいのであれば、どこまで自分を追い詰められるか、も判断の一つになり得るのではないでしょうか。私は40歳までに翻訳本を出版したいと努力しましたが、その思いを周囲に宣言しました。口にしたからには行動しなくてはならない。そうやって、自分で自分を追い詰め、心を鼓舞させました。あれもこれもやってみて、そのうち見つかるという方法もありますが、私のように一つのことにかじりついて努力する、という方法もありますよ。この技術でお金を稼ぐ!という強い信念も必要ですね。
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